No.013 ダムウエイター



物言わぬ執事の役目を果たしてくれる家具、マホガニー素材のダムウエイター。スタイルも円形テーブルを二重三重に重ねたタイプからスクエアを二重に重ねたタイプ、この他にもサイドテーブル程の大きさで三段になったタイプなどを見かけます。ただ、どんなデザインであっても用途は執事のようにお茶の用意からお食事の用意に必要な諸々を置き、サービスのタイミングをはかりながらテーブルに移すなど、様々な使い方が出来ることです。その多くをヴィクトリア時代に見かけますが、それはお客様を招いた時など、ご主人の座る席の傍に置き、ゲストの方々にスムーズにサービスをしながら〜エレガントにもてなすキメ細やかな気持ち・・から作られたのでは?と思います。何よりも解説には「とても重宝な家具」。 また、執事の役目から「コレクションボードとしての役割も果たすことが出来、動にも静にも役立つ家具です。

お茶の歴史は紀元前2700年頃、中国の雲南省あたりから始まると言われます。さらにお茶の文化はやがてモンゴル、日本、ロシア、北アフリカに広がり、ヨーロッパ伝来は16世紀後半の大航海時代を経て、東インド会社のオランダ商人の手により1607年にマカオから中国緑茶、1611年には長崎平戸から日本茶が運び出されたのが最初ではないか。。。と言われています。ちなみに英国に伝えられたのは1662年、ポルトガル王女の輿入れの時。そして19世紀、お茶の習慣は英国上流社会で洗練を極め、やがてアフタヌーンティーという公式?行事に定着していきます。

そのお茶文化とともに伝わったお茶道具。そしてお茶道具専用の家具。つまりお茶道具を置くための家具が考案され、それぞれ中国的なシノワズリ装飾が施された家具を多く見られます。その中には日本の蒔絵細工で飾られたお茶道具用の家具も多く残されています。 それも上等なマホガニー素材やローズウッドを用いた家具ばかりです。ひとつひとつティーケトル用のテーブル・ティーカップ&諸々の道具を取り揃えたテーブル・そして茶葉のためのティーキャディ用のテーブルという風に・・・お茶道具のための専用の家具が作られました。

ダムウエイターはそのお茶道具それぞれに付随した家具を総まとめ?したスペシャルティーアドバイザー役をも〜担う家具と言っても良いくらい・・・現代生活にも役立つ家具です。

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