No.032 マイヤーズネッフェのエナメルグラス

ヨーロッパで最も古いガラス工場の一つと言われるボヘミア・ヴィンターベルク近郊に1814年、創業者のJosefMeyrが芸術的なガラス工房を立ち上げます。
工房にはプラハとウィーンのビジネス協会会長を務めたヨハン・アドルフ二世シュワルツエェンベルグ王子がガラス工房のファーストオーナーとして貢献しました。
グラス工房を広げる上で必要な石炭をピルゼンからウィーンに輸送する計画を立ち上げるなど次々にグラス工房の建設&営業が開始されます。

JosefMeyrの死後、息子のJohannMeyrが工房を引き継ぎ、彼の甥WilhelmKralikがマネージメントディレクターを務めます。
1830年には二つ目のガラス炉が追加され生産量ともに最新のグラス工房が開始されます。
JohannMeyrが1841年1月17日に亡くなった後、ビジネスはWilhelmKralikとJohannMeyrの甥JosefTaschekが引継ぎ、彼ら甥達のもとでMeyr'sNeffeが営業されます。

創業者から息子へ、さらに甥また別な甥へとガラス工房が引き継がれたMeyr'sNeffeは1873年ウィーン万博から始まり1876年フィラディルフィア万博、1900年パリ万博にて親戚であるロブマイヤーとともにエナメルベースやボウル、ビーカー等で大きな評価を得ます。
1922年Meyr'sNeffeが工房を閉じた後もウィーンの芸術的にも評価の高い技術を引き継ぎ、グラス工房で数々の活躍を位置づけるデザイナーやグラス職人として現代のロブマイヤー・モーザーに貢献し続けるクラフトマンシップ達を輩出しました。

今回ご紹介しますMeyr'sNeffeのエナメルグラスは数々の万博で評価を得た高品質のガラスに豊かなデザイン力、そして何よりエナメル彩の技術は手にする人を魅了する作品ばかりです。
テーブルウエアとして18世紀の宮廷文化を蘇らせる紳士&淑女を一つ一つ異なるモチーフで仕上げたエナメルグラスは当時の皇帝や王族関係者を中心に万博出展により世界のノーブルファミリーから受注を受け作られたグラスウエアです。
ロブマイヤーとの親密な関係から趣向の似たエナメル彩が残っていますがMeyr'sNeffeの華麗で愛らしい作風はロブマイヤーのエナメル彩とは一味異なる意匠性を感じさせます。

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